ドイツに来て、冬を過ごした人はみんなこう言います。「冬のドイツは暗くて寒いよ!」
冬のドイツは、太陽を拝める日が限られていて、毎日暗くて、寒いです。日本に住んでいると意識がないのですが、実は日差しを浴びていないとビタミンDが足りなくなります。そのため、ドイツでは、ビタミンDをサプリメントで摂取するのが常識です。
私もドイツで暮らし始めて、気が滅入っていた時に、ビタミンDの摂取をおすすめされたので、ビタミンDとその摂取方法についてご紹介します。
ビタミンDとは
ビタミンDはビタミンの1種で、脂溶性ビタミン(水に溶けにくく脂に溶けやすいビタミン)に分類されます。ビタミンDにはビタミンD2とD3の2種類があります。(ビタミンD4~7もありますが、食品にはほとんど含まれていないため、関係性の高い2種類のみに分類されることが多いです。)
ビタミンD2はシイタケなどのキノコ類に含まれます。
ビタミンD3は魚類の肝臓に多く含まれ、紫外線を浴びることでも体内で生成されます。
ビタミンDの役割
2種類あるビタミンDですが、D2とD3は人にとってほとんど同等の働きをします。
ビタミンDには、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を高め血中カルシウム濃度を高める働きと、血中のカルシウム濃度を保つ働きがあります。
ビタミンDによって、神経伝達や骨の成長・筋肉の収縮などを正常に行うことができます。そのため、幼い時から必要なビタミンDを摂取する必要があります。
ビタミンDの1日の摂取基準量
日本人の食事摂取基準値は下表の通りです。
目安量 | 耐用上限量 | |
成人(男女・18歳以上) | 5.5㎍ | 100㎍ |
日光を浴びることでも生成されますが、一般的にはそれだけでは不足するため、食品で補う必要があります。
とはいえ年中日差しを浴びる機会のあり、魚を食べる機会のある日本ではそれほど神経質になる必要はありません。
ビタミンDはどうしたら摂取できるの?
- 日光を浴びて体内で生成する
- 食品から摂取する
日光を浴びることで体内で作ることが可能です。ただ日差しを浴びればいいのではなく、紫外線を浴びることが重要です。そのため、日焼け止めを塗ることは、ビタミンDの生成を低下させることになります。
ビタミンDを多く含む食品はキノコ類と魚介類また、卵黄やバターにも含まれています。ビタミンDは脂溶性ビタミンなため、脂質を含む魚介類から摂取した方が吸収されやすいです。キノコ類は炒め物や揚げ物にしたり、脂質を含む動物性食品と共に摂取することで、吸収率を高めることができます。
ビタミンDが不足するとどうなるの?
ビタミンDが不足すると、小腸や腎臓からのカルシウムやリンの吸収が低下して、カルシウムが不足します。カルシウムが不足することで、骨や歯の形成が不十分になり、骨軟化症や骨粗鬆症が引き起こされる可能性があります。また子供の場合は、骨の成長障害が起こり、くる病(小児期の骨軟化症)や足の骨が曲がったりすることがあります。
また高血圧や癌・歯周病・冬季うつ病・糖尿病などの疾病との関連している可能性も指摘されています。
一方で、ビタミンDを過剰摂取すると、高カルシウム血症や腎機能障害などを引き起こす可能性があります。日常の食生活で過剰摂取になることはまずありませんが、サプリメント等からビタミンDを摂取する際は、注意が必要です。
冬のドイツは日が短く、天気が悪い
冬のドイツは日照時間が短いです。(日照時間は影がやっとできる程度以上の直射日光のある時間を指します。)
12月の日本の日照時間は、平均178時間に対して、ドイツでは平均40時間と約1/4です!
日照時間は緯度と天気に左右されるため、日本より緯度の高いヨーロッパ各国では同じように日照時間が短い傾向にあります。
また、天気が悪く毎日曇りか雨ということも度々あります。そのため、日光を浴びることでビタミンDを体内で生成するのは、困難です。
ビタミンD不足をサプリメントで補おう
ビタミンD不足はカルシウム不足だけでなく、冬季うつ病の原因の1つとも言われています。そのため日照時間の短いドイツではサプリメントでビタミンDを補うのが常識です。
ドイツに来てからもいろんな人に冬はビタミンD不足でうつになりやすいと聞いたり、ビタミンDや漢方を飲んでいるという話も聞きました。
ドイツでは乳幼児もビタミンDを与えるように、お医者さんで指導され、乳児期から毎日摂取するのが一般的です。日本でもほとんど外に出ることがないと、同じようにビタミンDが不足することになるので、幼児期から定期的に日差しを浴びることが大切です。
ビタミンDサプリメントの購入場所
ドイツでビタミンDを購入する時は、お医者さんで処方してもらって、薬局で購入することもできますが、簡単に薬局やドラッグストアで購入することができます。
①dmやROSSMANNなどのドラッグストア
1番気軽に購入できるのが、dmやROSSMANNなどのドラッグストアです。ビタミンDだけでなく、様々な種類のサプリメントが販売されています。特に人気が高いのが水に溶かして飲むタイプです。
水に溶かすとシュワシュワした微炭酸なジュースに早変わりします。飲みやすい味で、毎日飲むのにも抵抗ありません。お値段もお手頃で、日本では珍しいので、ドイツのお土産にもおすすめです。
②Apotheke(薬局)
処方薬や一般医薬品を取り扱い薬剤師もしくは薬剤師補助を通して、購入できるのがApotheke(薬局)です。①のドラッグストアでは日本と異なり、医薬品は販売されていません。
Apothekeでは処方箋なしで、ビタミンD関連の商品を購入することが可能です。お店によって取り扱いされている商品は異なります。いずれも手の届くところに商品は置いてありませんので、薬剤師の方に相談して、購入する必要があります。
販売されているビタミンD関連商品の種類
- タブレット・カプセル
- オイル
- 水に溶かして飲むタブレット
種類は大きく3種類あります。そのまま飲むタイプの錠剤やカプセルとオイル、水に溶かして飲むタイプのタブレットです。お医者さんに処方してもらって飲むのが、タブレットやオイルですが、水に溶かして飲むタイプはドラッグストアで簡単に購入できるので、日常的に飲みやすいです。またビタミンDのみではなく、いろいろなビタミン+ビタミンDを含む商品もあり、種類も豊富です。
自分の用途にあった種類の商品を選んで購入するようにしましょう。
私の飲んでいるビタミンDの商品
私は近くのApothekeで薬剤師の方に相談して、タブレットのビタミンDを購入しました。VIGANTOLという商品です。
これは毎日朝食後に飲むタイプです。1粒に25㎍のビタミンDが含まれています。1日の目安量が5.5㎍なので、1粒で十分なビタミンDを摂取することができます。
100粒で7.87€なので毎日1粒飲んでも100日飲めるので、とっともリーズナブルです。1箱買えば冬を乗り切ることができます!
この錠剤はほんのり甘いくらいで、苦みなどもなく、水で飲んでもいいですし、口の中で噛み砕いて飲んでもいいです。特にクセがなく、飲みやすいビタミンDのタブレットです。
適切なビタミンDの量が含まれていればどの商品を利用しても大差はないと思います。気軽に試したい人はドラッグストアへ、薬剤師の指導の下利用したい人はApothekeに行ってみてください。
まとめ
年末年始の楽しい旅行が終わって、気持ちが落ち込んでいたところ、ドイツ在住の方にビタミンDの摂取をアドバイスしていただいて、ビタミンDを飲み始めました。他の要因もあるかもしれませんが、ビタミンDを飲み始めてから、前ほど気持ちが落ち込むことがなくなりました。
ビタミンDが不足すると冬季うつ病だけでなく、カルシウム不足になることも大きな問題です。
私は今のところ1年間という期限付きでドイツに滞在予定なので、1年くらいならカルシウム不足によって、大きな病気にはならないかもしれませんが、今後の健康を考えるとビタミンDは重要です。
冬でも太陽が出ている日は外に出て、日光浴をしたり、体を動かしたり、心身ともに健康に過ごしていきたいと思います。